願いのはざまに

「祖母が意識不明で入院したそうです、どうぞ神様にお繰り合わせをお願いします」電話口で切実に願われる信者の方、実家から遠く離れた関東圏に嫁ぎ婚家のこと、実家のことを実意にお届けされる、あたりまえのようで出来る人は少ない。

お願いしているとふと心に私自身の祖母が浮かんだ、祖母は祖父の事務所を手伝うため毎日ツーピースのスーツを身にまとい、革の書類バックを持って家を出て行く、帰りは買い物袋を下げて階段の多い町をゆっくり登ってくる。その姿が見えると駆け下りていき買い物袋を持ってあげた、小柄で洋風な顔立ちで洗練された祖母が自慢だった、お届けになった信者さんの御祖母様もやはりモダンな方なので、姿が重なったのだろう。

14歳で離れて以降一度も会うことのなかった祖母、お勤めしていても台所は磨き上げられ、お料理はいつも何品もつくっていた、食べるのは祖父だけ。一度大葉の天ぷらを味見させてくれたが、その食感と風味は記憶にはっきりと残っている、おいしかった~。

信者さんの御祖母様のお願いをしていたら、記憶の彼方にある自分の祖母を思い出した。今生での縁は儚くともいつの日か御霊の世界で再会できますように。

 

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